相続について
相続税とは?
相続税は、被相続人の遺産を相続する際にかかる税金です。
相続税はすべての人にかかるものではなく、
課税価格が基礎控除額を超えている場合に、相続税の申告が必要になります。
基礎控除額 3,000万円+600万円×法定相続人の数
また、相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。
申告書の提出先は、被相続人の死亡の時における住所地を所轄する税務署となります。
なお、相続人中に相続放棄をした者がいたとしても、
相続税の計算上は相続放棄をしていないものとして法定相続人の数に加えます。
つまり、基礎控除額は変わりません。
相続税の対象となる財産
不動産、現金、預貯金、株式、債権、自動車などのほか、死亡保険金などのみなし相続財産、相続開始前3年以内(※)の贈与財産 ※2026年12月31日までの相続については3年以内。2027年1月1日以降の相続より順次延長され、2031年1月1日以降の相続では7年以内となる。ただし、延長された4年間の贈与のうち、100万円は相続財産に加算されない。
みなし相続財産の代表例
・死亡保険金
・死亡退職金
・生命保険契約に関する権利
・定期金に関する権利
相続税の対象とならない財産
・墓地
・仏壇
・死亡保険金の非課税枠
・死亡退職金の非課税枠
相続税の計算方法
不動産、現金、預貯金、株式、債権、自動車などのほか、死亡保険金などのみなし相続財産、相続開始前3年以内(※)の贈与財産 ※2026年12月31日までの相続については3年以内。2027年1月1日以降の相続より順次延長され、2031年1月1日以降の相続では7年以内となる。ただし、延長された4年間の贈与のうち、100万円は相続財産に加算されない。
ステップ1
遺産の評価
相続税を計算するためには、遺産の総額を評価します。
相続税のかかる財産は被相続人から相続した財産だけでなく、死亡保険金や死亡退職金などのみなし相続財産のほか、生前贈与財産の一部も含まれます。 なお、不動産など主な遺産の評価方法は、以下のとおりです。
| 宅地 | 路線価 × 補正率 × 面積 |
| 借地権 | 自用地の評価額 × 借地権割合 |
| 自宅 | 固定資産税評価額 |
| 手許現金 | 死亡日の手許残高 |
| 普通預金 | 死亡日の残高 |
| 定期預金 | 死亡日の残高+既経過利息-源泉税 |
| 上場株式 | 死亡日の終値 死亡月の毎日の終値の月平均額 死亡月の前月の毎日の終値の月平均額 死亡月の前々月の毎日の終値の月平均額 のうち、最も低い額 |
| 死亡保険金 | 受取金額 ただし、500万円×法定相続人の数の非課税枠がある |
| 死亡退職金 | 受取金額 ただし、500万円×法定相続人の数の非課税枠がある |
ステップ2
控除できるものを差し引く
死亡保険金や死亡退職金は非課税枠があるため、それをステップ1の金額から差し引きます。また、小規模宅地の特例の対象の場合も同様にステップ1の金額から差し引きます。
そのほか、債務や葬儀費用などを控除し、残った金額を『課税価格の合計額』といいます。
ステップ3
基礎控除を差し引く
基礎控除額を計算し、ステップ2の課税価格の合計額から基礎控除額を引き、残った金額が『課税遺産総額』となります。。
基礎控除額 =
3,000万円 + 600万円
× 法定相続人の人数
ステップ4
税率の適用
相続税は課税遺産総額に税率をかけるのではなく、相続人が一旦法定相続分で取得したものとして計算し、相続税の総額を算出します。その後、実際に相続した財産の割合で按分します。
| 法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | ー |
| 1,000万円超から 3,000万円以下 | 15% | 50 万円 |
| 3,000万円超から 5,000万円以下 | 20% | 200 万円 |
| 5,000万円超から 1億円以下 | 30% | 700 万円 |
| 1億円超から 2億円以下 | 40% | 1,700 万円 |
| 2億円超から 3億円以下 | 45% | 2,700 万円 |
| 3億円超から 6億円以下 | 50% | 4,200 万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 1,000万円以下 |
| 税率 | 10% |
| 控除額 | ー |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 1,000万円超から 3,000万円以下 |
| 税率 | 15% |
| 控除額 | 50 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 3,000 万円超から 5,000万円以下 |
| 税率 | 20% |
| 控除額 | 200 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 5,000 万円超から 1億円以下 |
| 税率 | 30% |
| 控除額 | 700 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 1 億円超から 2億円以下 |
| 税率 | 40% |
| 控除額 | 1,700 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 2億円超から 3億円以下 |
| 税率 | 45% |
| 控除額 | 2,700 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 3億円超から 6億円以下 |
| 税率 | 50% |
| 控除額 | 4,200 万円 |
| 法定相続分に応じた 取得金額 | 6億円超 |
| 税率 | 55% |
| 控除額 | 7,200 万円 |
相続税の申告期限
相続税の申告は、相続発生日から10ヶ月以内に行う必要があります。この期限を過ぎると、延滞税や加算税が発生する可能性があります。
相続税対策
相続税の負担を軽減するための効果的な対策には、以下のような方法があります。
生前贈与
年110万円の非課税枠や教育資金贈与の特例などを利用して、生前に財産を贈与することで相続財産を減少させることができます。
遺言書の作成
相続税の基礎控除額を超えている場合、税理士に相談のうえ、節税のため遺言書を作成します。
生命保険の活用
生命保険の非課税枠を使うことで負担する相続税を軽減することができます。
資産組み換え
現金より評価額の下がる不動産に資産を組み換えることにより、相続税を軽減することができます。





